ごせんのまえに

トコトコピアノレッスンがめざすことのひとつに、「楽譜が読めるように」子どもたちを導くことがあります。とはいえ、まるで競技的にとにかく早く何の音かを当てる能力をつける、というよりは、実はシンプルな「楽譜のシステム」をじわっと身体に染み込ませておいておいてあげたいなと、考えています。


五本の横線、「楽譜」には、音の高さはもちろん、長さやニュアンスなど多くの情報が込められています。楽譜を見ながらピアノを演奏することとは、それらを一度に読み取り、音楽の流れを止めることなく、左右の手で表現することなのです(大変なミッション!!)。
そこで、トコトコでは、五線譜上で「これがドだよ」「レだよ」と伝える前に「ドレミ」以外の情報が自然と目に入るよう仕向けていく指導法を取り入れています。

そもそも、ピアノのおけいこは「ド」の音から。…って、いったい誰が決めたのでしょうか!?
ピアノからは、低い音に高い音、力強~い音に優しい音と、魅力的な音がたくさん出てくるのに!

鍵盤を幅広く使いながら(そして時には鍵盤を使わずに)
〇高い/低い 〇上がる/下がる 〇長い/短い 〇多い/少ない 〇大きい/小さい 等の認識の確認
〇数をかぞえる 〇右/左を意識して使い分ける 〇音名とその順番をおぼえる 〇言葉のリズムを音であらわす 〇拍にのって歌う、動く

…等々の活動を積み重ね、
〇リズム譜での演奏 〇指番号奏 〇手を置く位置(ポジション) 
そして〇一線譜 〇三線譜 〇ト音記号とヘ音記号
に慣れていきます。その中で、強弱、スタッカート、スラーといった奏法の導入も行っていきます。

「五線の前に」たくさんの刺激を受けておくことで、多くのお子さんは、さあ、いよいよ五線を読もう!のその瞬間から、楽譜に目をやりながら(鍵盤を見ないで!)、拍にのって、リズム通りに指を動かすことが出来る状態になっています。
五線に到達するまでに少々時間は要しますが、譜面を見ながら弾くこと、拍にのること、指番号を守ること、音符の動きと指の動きをある程度連動させられること…といった力により、間違いなくその後のつまづきが少なくなることを実感しています。

使用教材は、これまでの指導経験や、市販のテキスト等から得たアイディアをもとに生まれたオリジナルのものが中心になります。
目の前にいるお子さんに、まさに今必要だと感じるものをどんどん研究&開発し、それぞれの「わかった!」「できた!」「たのしい!」を増やしていけたらと思っています。

さあ、すこしずつ、楽器と、楽譜と、そして音楽と、おともだちになっていきましょう!!

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